プロモーションビデオ(2020)
日常風景編
研究紹介編(オープンキャンパス動画)
計算安全工学研究分野について
数値シミュレーション技術の創成

過去の大災害のたびに甚大な被害が発生し、その復興には多くの時間と労力を要しています。今後発生する災害の被害を最小化し、被害を受けた状態から速やかに元の状態に回復するためには、その災害の物理的性質とメカニズムの正しい把握・理解に基づく被害の予測や事前対策の効果の検証が不可欠であり、それらを達成するうえで数値シミュレーションは強力な武器となります。計算安全工学研究分野では防災に関する様々な数値シミュレーション技術を創成することで防災・減災に貢献しようとしています。

私たちの取り組み

構造・流体・地盤など、さまざまな対象に対する科学的知見を駆使して、数値シミュレーション手法およびデータ分析技術を開発しています。具体的には、構造物の劣化プロセスや破壊の予測、最適設計手法の構築、斜面災害シミュレーション手法の開発や使用環境の整備,数値解析と確率論的リスク評価の融合など、多角的な視点から研究を進めています。加えて,分野を横断して構造・流体・地盤のマルチスケール・マルチフィジックス現象を評価するための解析手法の開発も行っており、静力学・動力学・熱力学はもちろんのこと確率・統計学や災害科学に関する知識など、様々な分野の知見を融合しようとして、教員と学生が一体となって研究を進めています。

連続体力学 材料力学 流体力学 土質力学 熱力学 確率・統計学 破壊力学 離散体力学
構造
Femap_Bridge

鋼橋の地震動応答解析

流体
Paraview_Tsunami

雪崩の流動解析

地盤
AVS_DEM

確率論を考慮した落石解析

構造 & 流体
Paraview_Tsunami

構造物との相互作用を考慮した津波解析

流体 & 地盤
Paraview_Landslide

水の流れを考慮した地盤の流動・変状解析

地盤 & 構造
Render_Landslide

橋梁への衝撃を考慮した山腹崩壊解析

材料挙動シミュレーション

構造物の劣化プロセスや破壊の予測と最適設計手法の構築のためには、材料の挙動を正確に把握し、精緻に予測しなければなりません。本研究室では、コンクリート、土質/岩盤、金属、熱可塑性/硬化性樹脂や、異質な材料同士を組み合わせた非均質/複合材料など様々な材料の構成則だけでなく、微視的視点から巨視的力学挙動を特徴づけるためのマルチスケール解析手法といった維持管理や防災・減災、ものづくりに資する材料評価技術の開発を行っています。

破壊挙動シミュレーション

人的・物的被害の拡大につながる災害時の衝撃/繰り返し荷重による構造物内のき裂の発生・伝搬や固体から流体への相変化、そしてそれに起因する構造全体の破壊・崩壊挙動は、様々な物理化学過程を段階的に踏むことによって発現するマルチステージ現象であり、その精緻な予測技術の開発は計算科学分野においても最も挑戦的な研究の一つとされています。本研究室では、それぞれのステージにおける破壊挙動やき裂進展挙動に対する数値解析技術の開発を行いながら、すべてのステージを一機通貫でつないでシミュレートできる手法の開発にも取り組んでいます。

破壊挙動シミュレーション
津波災害シミュレーション

東日本大震災以降、数値解析技術によって津波による物的・人的災害を正確に予測することへの要求はますます高まっています。本研究室では、津波に関係する様々なハザードやリスクを高度な数値解析技術によって評価する研究に取り組んでいます。本研究室では、津波衝撃力による構造物の破壊シミュレーション、がれきなどの漂流物のシミュレーション、海岸林による津波減災効果の予測、確率論との融合による津波リスク評価などに挑戦しており、津波災害対策の高度化を目指しています。

津波災害シミュレーション
斜面災害シミュレーション

我が国は、およそ7割を山地または丘陵地が占めており、これに隣接する市街地や山村部や地域間を結ぶ道路網は、常に豪雨や地震に起因する斜面災害のリスクに曝されています。本研究室では、土砂流動や落石、雪崩などの斜面災害のシミュレーション手法を開発・実装することで、そのメカニズムの解明や物性・条件のばらつきを考慮した被害予測手法の開発に加え、これらの数値解析に基づく防護工の最適配置や最適設計法の提案など、災害に強いまちづくりに貢献する有用な情報を提供するための研究を行っています。

土砂災害シミュレーション
雪崩シミュレーション
災害関連データの「見える化」

実践的な防災・減災には、解析や調査結果を見てもらう相手の特性を踏まえた見せ方も重要になります。本研究室では、数値シミュレーション結果、災害調査結果、既存の防災情報などの災害関連データをわかりやすく伝えるための3次元可視化技術や、それら相互の関係や地形・土地利用などの地理情報との相関を把握して防災教育や意思決定に有用な情報を提供するための「見える化」技術やそのプラットフォームソフトウェアの開発にも取り組んでいます。

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